自然の中で楽しむバーベキューでは、日常の忙しさを忘れてリフレッシュすることができますよね。しかし屋外で活動をしていると、思わぬケガやアクシデントが起こる可能性もあります。この記事ではバーベキュー中に起こりやすいアクシデントについて、応急処置法と一緒にお伝えします。
バーベキューでは火を使うので、必然的にやけどのリスクが高くなります。子どもも火や高温のバーベキューコンロに触れやすい状況なので、小さなお子さんがいる場合は特に注意が必要です。
やけどの深さは、I度、II度、III度の3つに分類されます。症状は 度が一番軽く皮膚が赤くIなる程度、 II度は水ぶくれが残る程度、一番深い III度になると皮膚が硬く黄白色になり治った後もケロイドなどの傷跡が残ります。
やけどをしたら、まずは患部を水道水やミネラルウォーターなどのきれいな水で洗って、なるべく冷やすようにしてください。流水が刺激になるのであれば、容器に水を溜めて患部を冷やします。痛みが和らいできたら、濡らした布やガーゼを巻きます。水ぶくれができてもつぶしてはいけません。 度以上のやけどであれば、必ず病院を受診しましょう。II
野外で活動していて一番多いケガがすり傷、切り傷ではないでしょうか。経験したことがある人も多いと思いますが、適切な応急処置をすることで劇的にケガの治りが早くなりますよ。
現在の医療では、できるだけ早く、そして傷跡が残らないように治すには「湿潤療法」が最も効果的だと言われています。まず流水で30秒以上傷口を洗い、砂などの汚れを落とします。あればワセリンを薄く塗って、傷口を覆うようにキズパワーパッドなどの湿潤治療被覆材を貼りましょう。傷口が大きい場合は、応急処置として傷をラップで覆うことも有効です。
山や河川敷など、足場が悪いところで活動していて足を捻ることもあります。気を付けていても起きやすいアクシデントですが、特に日頃運動不足気味の人は要注意です。またボールで遊んでいて打撲することなどもあり得ます。自分だけではなく、周りの人にケガをさせる可能性もあるので、遊ぶ場所をしっかり選んで活動しましょう。
打撲・捻挫をしたときは、まず冷やすことが基本です。
頭や胸、腹などを打撲した場合、脳や内臓に大きなダメージが加わっています。軽度だと思っていても時間が経ってから重篤な症状が出る場合があるので、自己判断せずに必ず病院へ行きましょう。
捻挫は患部をなるべく動かさずに冷却し、包帯やテープなどで圧迫したら、患部を心臓より高い位置まで上げて安静にします。歩けないほどの痛みが続くのであれば、早めに病院を受診してください。
バーベキューではしゃぎすぎたり、お酒が入った状態で転んでしまったりすると思わぬ骨折をすることがあります。骨折は捻挫と違い、患部が短時間のうちに腫れていきます。骨折したと思ったらすぐに救急車を呼ぶか、応急処置後自分たちで病院に行くか、状況を判断して行動しましょう。
骨折が疑われる場所に外傷があり、出血している場合はまずきれいな水で患部を洗ってください。そして患部を冷やし、心臓より高い位置で 固定し安静にします。副木になりそうな傘、トング、板、ポールなどがあれば、骨折した部分が動かないように上下の関節までしっかり固定してください。
川や海などの水辺でバーベキューを行うときは、水遊びをしている途中で溺れて心肺停止に陥る可能性もあります。助ける側もパニックになりやすい状況ですが、落ち着いて処置を施すことが命を救うことになります。
まずは意識、呼吸、脈の確認をします。周囲に人がいる場合は助けを呼び 、救急に連絡する人、AEDを探してくる人、心肺蘇生法をする人と役割を分担しましょう。心臓マッサージは強く、早く、絶え間なく行うことが大切です。疲れてくるとペースが落ちるので、複数人で交代しながら行うことが理想です。また溺水や窒息、子どもの心停止には心臓マッサージに加えて人工呼吸も行うことが望ましいと言われています。AEDが到着したら、電源を入れて音声に従いながら落ち着いて操作しましょう。
心肺蘇生法は学校や自動車教習所などで学ぶ機会がありますが、医師会や赤十字社、消防署などでも講習を受けることが可能です。大切な命を守るために、救命講習を受講して知識と技術をしっかり学んでおきましょう。
もちろんケガやアクシデントが起きないことが一番良いのですが、どれだけ注意していても起こってしまうことがあります。そんなときに適切な対処法を知っているかどうかで、状況やその後の回復に大きく差が出ます。思いっきりバーベキューを楽しむためにも、最低限の応急処置法を身に着けておくことが大切です。